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フューチャーコンパス 「中部圏イノベーション促進プログラム」第15回講演会(5/21)

(一社)中部圏イノベーション推進機構(会長:水野明久 中経連会長)は、5月21日(木)、情報提供プログラム フューチャーコンパス 「中部圏イノベーション促進プログラム」第15回講演会を、新型コロナウイルスの感染予防対策としてオンラインで開催した。
講師に、(株)ABEJA 代表取締役CEOの岡田陽介氏を迎え、「ABEJAが提供するAIによるプロセス変革」と題して講演を頂いた。岡田氏は遠隔地から参加し、質疑応答を通じた議論も活発に行われた。

【講演要旨】
1. AI活用で広がるビジネス課題解決の可能性
AI(人工知能)の能力は飛躍的に伸びており、日進月歩で進化している。既にAIは、人間と同じ情報量のデータを入力すれば、人間に匹敵する結果が出せると言われる段階にある。
我々人間は感覚や経験などを含む複合的な情報にもとづいて意思決定をしている。AIの能力そのものより、 現実空間の情報をサイバー空間のデータに変換し、質の高いデータを一定量集められていないことがAI活用のボトルネックとなっている。

2. AI導入の障壁
ビジネスプロセスにAIを導入する場合、それまで人間が行っていた作業をいきなりAIに置き換えることは不可能だ。上述のとおり、カメラやセンサーなどのIoTデバイスを使い、現実世界の業務をデジタルデータに変換して AIが学習するためのデータを収集する必要がある。従来のAI導入は、データの収集・蓄積や、概念実証(PoC)と呼ぶ検証の段階にかなりの時間を費やしていた。また、初期段階ではAIを導入したい業務に必要な精度とのギャップが大きく、現場導入まで至らないケースも多い。そのため、AI導入の一歩を踏み出せても投資期間が長すぎて投資回収までこぎつけられないことが多かった。

3. 導入障壁を下げる
ABEJAのサービス ABEJAは、AIモデルの精度が100%にならなくとも、人間がAIの精度を補いながら運用をスタートすることを推奨している。
それまで現実空間で行われていた業務を、サイバー空間で人間とAIが協力して運用することで、業務に必要な精度を実現しつつ、データを取得する。こうして、AIの学習に必要なデータを蓄積、そのデータを再学習に回す、ということを繰り返す。これだけでモデルの精度が100%になるわけではないが、こうした継続的な改善サイクルを回すことで、AIによる運用自動化に近づいていくことができる。
こうして、AIの能力が完全でない段階からAIを本番環境で運用することで投資回収までの時間を短縮することができる。
AIの活用でコストメリットを得られるプロセスはどの業種にも必ずある。AIが広く活用されることで、人間にとってよりゆたかな世界を実現できるように、活動を広げていきたい。

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