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東海地域経済懇談会(2/4)

中経連は、2月4日(火)、(一社)日本経済団体連合会(経団連)、東海商工会議所連合会(東海連)と共催で、「東海地域経済懇談会」を名古屋市内にて開催し、「デジタル技術を活かし、人間的で幸福な暮らしの実現と社会課題の解決を」を基本テーマに、古賀経団連審議員会議長、豊田中経連会長、山本東海連会長をはじめ主催団体の会員約250名が参加した。概要は以下の通り。

はじめに、地元を代表して山本東海連会長による開会挨拶に引き続き、古賀経団連審議員会議長による挨拶が行われた。

古賀経団連審議員会議長 挨拶要旨

経団連は昨年、デジタル化を通じて明るい社会を創造し、社会課題の解決や、自然との共生を目指していきたいとの思いから、「Society5.0 for SDGs」を掲げ、国内外でその浸透を図ってきた。本日の懇談会では「デジタル技術を活かし、人間的で幸福な暮らしの実現と社会課題の解決を」とのメッセージのもと、取り組んでいく重要課題について報告する。
1点目は、今やわが国の成長戦略の柱でもある Society5.0の社会実装を確実に進めていく。経団連では、昨年新たに立ち上げたデジタルトランスフォーメーション会議を軸に、分野横断的な議論を行いつつ、スタートアップ委員会、サプライチェーン委員会、イノベーション委員会などテーマごとの委員会で、具体的なアクションを進めていくとともに、各地域の取り組み、先進的な事例を学んでいきたいと思っている。
また、Society5.0の社会では、働き方も大きく変 わる。定型業務はAIやロボットに移行する一方で、働き手のエンゲージメントを高め、社会の多様な課題やニーズに対応するための価値創造力を向上させることが重要である。ダイバーシティ経営や日本型雇用慣行のモデルチェンジなどを推進すると同時に、Society5.0時代に必要な人材育成という観点から、今後求められる人材像や大学教育改革のあり方について、大学の先生方との対話を継続していく。
2点目は、経済構造改革にも力を入れて取り組んでいく。安倍首相は、全世代型社会保障改革を、内政面での今年の最大のチャレンジと位置づけた。少子高齢化により人口構成が大きく変化する中、世界に誇るわが国の社会保障制度の持続可能性を確保し、次世代に引き継いでいくことは、私たちの重要な責務であり、経団連としても長年の懸案事項に解決の道筋をつけ、人々が抱く不安を解消すべく、政府への働きかけを進めていく。
3点目は、日々の暮らしや経済活動を支えるエネルギーを巡る問題について、優先度を高くして取り 組む。昨年4月に公表した提言「日本を支える電力システムを再構築する」を踏まえ、レジリエントな エネルギー供給に向けた投資環境の整備などを働きかけていく。また、経団連の新しいイニシアティブとして打ち出した「チャレンジ・ゼロ構想」を通じ、気候変動対策を官民一体で推進するなど、環境と成長の好循環の実現にも取り組んでいく。
4点目は、民間経済外交を積極的に展開する。今般発効した日米貿易協定などにもとづき、米国との関係強化を一層図るととともに、日・EU間の経済連携協定を基盤に、欧州との協力関係を拡大していく。また、中国、インド、ASEANをはじめとする アジア諸国との関係をさらに強化・発展させていくことも重要である。
5点目は、防災・減災、国土強靱化を推進する。昨年の台風による一連の被害をはじめ、近年、大規模自然災害が各地で相次いでおり、被災者や被災地域の復旧はもとより、防災・減災、国土強靱化の一層の推進に向け、デジタル技術のさらなる活用を含め、必要な対策の早期策定・実施を働きかけていく。今年の夏にはいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催される。復興五輪と位置づけられる 本大会の成功を通じ、日本全体が活性化するよう、政府や関係組織と一体となって取り組んでいく。

テーマ1 活力ある地域づくり

東海側からの問題提起
・水野中経連副会長「令和新時代に求められる経済政策」
・小川中経連副会長「防災への取り組みについて」
・田中鈴鹿商工会議所会頭社会基盤整備の推進と産業振興」

テーマ2 産業競争力の強化

東海側からの問題提起
・中村名古屋商工会議所会頭「税制、事業再生について」
・小池蒲郡商工会議所会頭「東三河の健康経営への取り組みについて」
・鷲尾瑞浪商工会議所会頭「農商工連携の推進について」

水野副会長は、今年2月に公表した提言「令和新時代に求められる経済政策」の概要を紹介し、「平成の30年間は、わが国が絶頂期から一転して低迷に転じた大変化の時代であり、なぜそうなったのか真摯な反省が必要である。弊害の大きかった安定志向、日本的経営の通用力の低下など6つの教訓を抽出しつつ、根源的な問題である人口問題への対応など7つの課題を抽出した。そして、国家的重要問題の見落としを防ぐための組織の創設、企業活動のダイナミズム復活のための日本的雇用の見直しなどの問題提起を行った」と発言した。
小川副会長は、中経連の防災への取り組みを紹介し、「全国の地域経済連合会8団体と共同で『国土強靱化税制』の整備・創設を国に提言するとともに、昨年5月に公表した提言『南海トラフ地震等が中部経済界に与える影響を最小化するために』において、社会インフラの現状と課題を取り上げ、整備の促進を国や自治体に訴えている」と発言した。
これに対し経団連からは、「Society5.0の実現」 「経済構造改革の推進」「防災・減災、国土強靱化」「税制」「ヘルスケア」「農業の活性化」について発言が行われた。
このほか、経団連より「2020年経営労働政策特別委員会報告」「サイバーセキュリティ」「オリンピック・パラリンピック等経済界協議会の取り組み」について発言が行われた。
最後に、豊田会長が閉会挨拶を述べ、懇談会は盛会裏に終了した。


懇談会後には、古賀審議員会議長、豊田会長、山本会長による共同記者会見を行った

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