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第7回定時総会 豊田会長挨拶

最近の世界情勢については、中東情勢の緊迫化、米朝首脳会談の開催に向けたさまざまな駆け引き、米国に端を発する貿易摩擦など、国際社会を巡る状況が大きく変化しています。
改善基調が続くわが国経済でありますが、石油価格や原材料の値上がり、貿易摩擦の強まり等に伴う影響を、今後注視していく必要があると考えています。
一方で、世界の大きな流れにおいては、わが国の相対的地位は低下し続けています。IoTやAIの技術が進展する中、この分野で欧米から遥かに引き離され、豊富な労働力と市場規模の拡大を背景に成長を続ける新興国には、激しい追い上げを受けています。
わが国の再浮上に向けて、今こそスピード感を持って諸課題に取り組んでいく必要があると考えています。

こうした中、昨年度の中経連の活動実績として、取り巻く環境の変化、新たな挑戦課題への対応をねらいに、事業の選択と集中を図り、昨年4月、新しい委員会体制をスタートしました。
そして、経済、人材育成、イノベーションなど各委員会が、将来を見据えた長期的視点、世界で生き残るためのグローバルな視点で、計7件の提言・報告書を取りまとめ、活発に動いてきました。
今年度については、各活動の「進める『進化』」と「深める『深化』」を図り、ビジョンの提示、提言の実現に向け、「行動」に重点を置き、事業活動を進めていきたいと思います。特に今年度は、「中部圏の将来ビジョン策定」「イノベーションの活性化」「人材育成」の3つを重点テーマとして位置付け、活動を強化していきたいと考えています。
まず、「将来ビジョン策定」については、中部圏が世界からさまざまな人を呼び込み、対流・交流を生み出す地域として目指すべき姿を、示していこうと考えています。
クリエイティブな産業の集積や、質の高い生活空間、雄大な自然と都市が共存する生態系、国土の強靱化などに着目し、現在ワーキンググループによる検討や、有識者との意見交換を進めているところです。
次に、「イノベーション活性化」については、当地に不足するイノベーション人材を育成し、新事業のタネから芽を育てるための「中部圏イノベーション促進プログラム」を、5月にスタートさせました。
このプログラムを通じて、異業種・異分野が集まり、広域に連携できる「場」を提供していきたいと思います。難しいテーマではありますが、まずは動いてみて、改善しながら、産学官金から賛同者を増やしながら、新しいものが生まれる面白い「場」をつくっていければと考えているので、会員の皆様にも、ぜひ参加いただきたく、よろしくお願いいたします。
最後に、「人材育成」については、昨年12月に提言を取りまとめました。初等中等教育の段階からの基礎能力引き上げ、多様な体験機会の創出をはじめ、さまざまな観点から提言していますが、まずは早急に教育委員会との意見交換の場を設けたいと考えています。
また、会員企業から会員大学への講師派遣を行う「企業・人材プール」についても、継続して実施していきますので、会員の皆様には、ご協力をお願いいたします。

最後に、繰り返しになりますが、中経連は今年度を活動の「進める『進化』」と「深める『深化』」を図る1年と位置づけています。
経済界自らが「まず声をあげる」こと、実現に向けてスピード感を持ち「とにかく動き・実行する」ことを基本姿勢として、「日本を動かし、世界をリードする中部圏」を目指して活動を展開していきます。
ぜひ中経連の活動に、会員の皆様のお力添えを賜りますようお願い申しあげます。

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