2011.5.10
会長コメント
中部電力が決定した「浜岡原子力発電所の全機運転停止」は中部地域をはじめ、わが国にとって、極めて重大な問題である。
中部電力の決定は、政府の強い要請を受けて、地域の市民生活や企業活動をはじめ様々な方面に大きな影響を及ぼす基幹産業として、さらには民間企業として、あらゆる角度から検討を重ねた苦渋の決断であったと受け止めている。
一方、わが国の経済情勢は、リーマン・ショック後の世界的な不況から抜け出せない状況に加えて、3月に発生した「東日本大震災」の影響により、極めて厳しい状況にある。 現在、被災した東北・関東地方の復旧・復興をはじめとして、わが国経済の立て直しが進められているが、その中において、この中部地域に期待される役割はとりわけ大きい。
中部電力におかれては、「東日本大震災」からの復旧・復興、そしてわが国経済の立て直しに向けて、市民生活はもとより、企業の生産活動に支障を来たすことがないよう、最大限の努力によって、電力の安定供給の責務を果たしていただきたい。
また、今回の中部電力の決定は、原子力発電所立地地点の皆様をはじめ、中部地域の市民と経済界の理解と支援が大前提となるものである。
政府におかれては、浜岡原子力発電所の全機停止に至った十分な説明は勿論のこと、東北・関東地方を含めた全国レベルでの電力需給の諸課題について、中部地域はもとより、わが国経済に悪影響を来たさぬよう最大限の対策と支援を責任を持って推進していただくことをお願いする。
同時に、今後のエネルギー政策をはじめ、経済・雇用などわが国の基本的な課題についても、将来を見据えた大局的な視点に立って、早急に施策の検討に取り組んでいただきたい。
私ども中部経済連合会としても、この難局を乗り越えるため、様々な工夫を凝らし、力を合わせて取り組んでいく所存である。