2018.3.13
活動報告
2月22日(木)、中経連は(一社)日本経済団体連合会(経団連)、東海商工会議所連合会(東海連)と共催で、「東海地域経済懇談会」を名古屋市内にて開催し、「GDP600兆円経済に向けて邁進する年に」を基本テーマに榊原経団連会長、豊田中経連会長、山本東海連会長をはじめ主催団体の会員約230名が参加した。はじめに、地元を代表して山本東海連会長による開会挨拶、榊原経団連会長による挨拶を行った。また、懇談に先立ち古賀経団連副会長が地方創生に向けた課題発言を行い、続いて、懇談を行った。
<テーマ1 活力ある地域づくり>
このうち中経連からは、山名副会長が「中部圏の広域連携・地域づくり」について、「将来を見据えた中部圏のビジョン」策定に向けた活動をしており、「国土強靱化」「産業構造の変化、技術革新への対応」「人口減少・少子高齢化への対応」「環境重視型社会への対応」を重点課題と説明。経団連には、中部のものづくりの競争力を高める取り組みと東京一極集中のリスク対応への理解と協力を賜りたい」と発言した。
これに対し、経団連側からは、中部圏の地域づくり、観光振興について、「①自動運転の実証実験を行う『あいち自動運転推進コンソーシアム』のような産学官が連携した取り組みが重要 ②地域の中堅・中小企業と大企業や大学との連携による地域産業のさらなる発展が重要 ③外国人観光客を受け入れるための空港や港湾のキャパシティ拡大につながるインフラの整備が急務 ④来年度からはじまる『キッズウイーク』(地域ごとに学校や夏休みなどの長期休業日を分散することで、大人と子供が一緒にまとまった休日を過ごす機会を創出しやすくする取り組み)に注目していただきたい」との発言があった。
<テーマ2 産業競争力の強化>
このうち中経連からは、中村副会長が「中部圏の未来を支える人材育成」について、中経連で昨年12月に取りまとめた同タイトルの提言を紹介し、「読解力や考える力など基礎学力の引き上げが重要である。人材育成については産学官が連携した取り組みが必要であり、大学からではなく、初等・中等教育の早い段階から取り組む必要がある」と発言した。また、竹中副会長が「中部圏のイノベーション推進」について、「中部圏のイノベーションを触発し続ける仕組みの具現化に向けて、危機感や期待感の醸成のためのセミナー事業、新規事業プロジェクトの担い手となれる人材の育成、異分野融合で事業開発を行う場づくりなどを、早期に実行していく」と発言した。
これに対し、経団連側からは、「①サイバー空間におけるデータやAIの活用では、わが国の多くの企業が足踏み状態であり、国際競争で『周回遅れ』となっている ②経団連としても危機感を共有しており、周回遅れを挽回し世界のトップランナーへ返り咲く切り札としてSociety5.0の実現を推進している ③中経連のご指摘のとおり、異文化・異分野に触れて、多様なものの見方や経験を積むこと、幅広い教養を初期の段階から身に着けることは大変重要 ④『経団連グローバル人材育成スカラーシップ』、小・中学校の理科実験教室などに企業人を派遣して理科や科学技術への関心を持ってもらうようにすることに取り組んでいる ⑤大学改革についても推進していきたい」との発言があった。
自由発言では、経団連の「2017年版経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)の内容などについて紹介があり、さらに、経団連や日本商工会議所などで構成する「オリンピック・パラリンピック等経済界協議会」の活動が映像を用いて紹介された。
最後に、豊田中経連会長が閉会挨拶を述べ、懇談会は盛会裏に終了した。