2017.3.7
活動報告
中経連は2月27日(月)、「第8回中部の未来を考える会」(後援:中日新聞社、明日の中部を創る21世紀協議会)を名古屋市内にて開催し、当地域の行政・経済界や一般公募者など約500名が参加した。
本シンポジウムは、中部地域が将来においても持続的に発展を遂げていくため、幅広い視野から相互に連携して、総合的・広域的な地域づくりを検討することを目的に、中経連および関係する4省5局(東海総合通信局、東海農政局、中部経済産業局、中部地方整備局、中部運輸局)の代表が一堂に会し、討議を行う場である。
今回は「IoTによる社会の変革」をテーマに、情報提供や意見交換を行った。
冒頭、豊田会長は挨拶の中で、「少子高齢化・人口減少と、情報通信の進歩により加速される社会変革の下、日本がいかに世界で競争力を確保するか考える必要がある。社会を構成するすべての段階における世界No.1の生産性の達成や、2050年エミッションゼロ社会実現などの課題への対応をIoTを通じて目指さなければならない。また、これらの取り組みを支えるIoT人材の産学官一体となった育成や、グローバル人材の採用が重要である」と問題提起した。
第1部では、東京大学大学院情報学環教授の坂村健氏より「IoT動く–実用化への可能性と課題–」と題して講演を頂いた。坂村氏は「IoTの世界では、オープン化された情報により、モノがAPI(アプリケーションインターフェイス)を介して自動連係する点が、旧来の日本型ネットワーク化との違いである。あらゆるデータをコンピュータが読める形で公開し、組織の中だけではできない課題を、業界以外のアイディアを使って改善する、という発想への転換が必要。また、そういった新しい発想が活かされるよう、技術開発競争から制度開発の競争へという世界の潮流に対応していくことが重要である」と述べた。
第2部のパネルディスカッションでは、名古屋大学大学院情報科学研究科長・教授の安田孝美氏をコーディネーターに、東海財務局を加えた国の出先機関5省6局の局長をパネリストとして「中部圏におけるIoTの活用~つながる社会のものづくり、まちづくり、ひとづくりを考える~」をテーマに各機関からの取り組みや他機関との連携等について意見交換を行い、IoT分野における人材不足への対応等の課題が共有された。安田氏は「IoTの活用事例を蓄積・応用し、中部エリアが当分野のリーディングエリアとなることを期待する。新しい物事に対しては、挑戦無くして新たな成長なし」と聴講者に呼びかけた。
東京大学大学院情報学環教授 坂村健氏による講演
パネルディスカッション全景