2013.3.21
活動報告
中経連は3月8日、第21回企業防災連絡会講演会を名古屋市内で開催し、会員企業約80名が出席した。今回は講師に公益社団法人東三河地域研究センター常務理事の金子鴻一氏をお招きし、「三河港明海地区における事業継続計画について」をテーマに講演をいただいた。
金子氏はまず、三河港明海地区の概略について、三河港は自動車港湾であること、明海地区には製造業75事業所が立地し豊橋市の工業出荷額総額の約46%を占めていることなど、経済・産業面での重要性について述べた。また、同地区は東海・東南海連動型地震時には震度6弱が想定され、液状化危険度も非常に高いとされていることを説明された。
次に、明海地区における事業継続計画(BCP)検討の経緯について「事業所の約70%は自社BCPが未完であった。70%以上の事業所はBCPの体制整備として、被災時には周辺地域から孤立することを懸念しており、道路・岸壁などの耐震インフラ整備を必要としている。」と述べた。
続いて、被災時の救急・救命、緊急帰宅、帰宅困難者、応急復旧への対応についてアンケート結果に基づく現状と問題認識や、今後の解決策を検討する必要性などについて説明されるとともに、明海地区への津波想定を受けて、津波避難計画が策定され、実際に避難訓練が実施された結果について報告された。
最後に、地域連携BCPについて「連携してその地区の機能を維持し、事業を継続していくことが大事。連携の構造を作るには、必要性や具体的な内容について情報共有がなされていなければならない。PDCAサイクルが重要である」ことが強調された。
講演後は質疑応答に移り、出席者から「明海地区の地域連携BCPの策定が完成するのはいつか」「工業団地内におけるBCPはあるのか」「外来者に対する情報提供はどうするのか」などの活発な質問が出され、盛況の内に終了した。
※本講演の詳細は