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「中部圏イノベーション促進プログラム」(フューチャーコンパス)第10回講演会(10/3)報告

(一社)中部圏イノベーション推進機構〔会長:豊田鐵郎 中経連会長〕は、10月3日(木)、「中部圏イノベーション促進プログラム」第10回講演会をナゴヤ イノベーターズ ガレージにて開催し、約85名が参加した。
今回は、ヤマハ発動機(株)執行役員デザイン本部長の長屋明浩氏を講師に迎え、「イノベーションを起こす『アート力』経営デザイン」と題して講演をいただいた。

<講演要旨>
私の現職場では、自動車業界時代に培ったデザインやブランディング実績をさらに進化させ、経営とデザインを直結させる「デザインマネジメント」を実践している。これは即物的な「こども(製品)」を直接つくるのではなく、こどものDNAの要素となる「ゲノム」をつくることに似ている。俯瞰的な法則や従うべき原則を明確にし、取り入れるべき要素に自社らしさを散りばめる事で、各部署での自由なデザインの中にも自然とブランドとしての統一感が 宿る。自社らしさの再確認による、デザインを通じた経営改革ともいえよう。

ヤマハ発動機は、製品を生み出すプロセスそのものまで新しくデザインしている。全体より要素を先にデザインする、企画段階からエンジニアとデザイナーが共同でものづくりに関わるなど、これまでとは異なるやり方を取り入れて完成したコンセプト車は世界でも高い評価を獲得した。まさにテクノロジーとアート、クラフトマンシップが混ざり合ってイノベーションを起こした実例だろう。

21世紀のデザインとは、その製品が「幸せ」につながるかどうかを基準に解決策を考えること。それにはテクノロジーとビジネス、クリエーションの統合が今後より一層必要となってくる。

 

〔講師プロフィール〕
1983年愛知県立芸術大学卒業。トヨタ自動車(株)で初代レクサスLS400やセルシオ、マークⅡなどのデザインを担当後、レクサスブランド企画室長、トヨタデザイン部長を歴任。2014年よりヤマハ発動機(株)デザイン本部長、2015年より現職。

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