2018.11.13
活動報告
黒田日本銀行総裁と中部経済界との懇談会が11月5日(月)、名古屋市内にて開催され、中経連から豊田会長が出席した。
冒頭の講演で黒田総裁は、わが国の景気は緩やかに拡大しており、先行きも拡大基調は続くとしながらも、海外経済を巡る不確実性はこのところ増していると指摘した。とりわけ、米中間の貿易摩擦をはじめとした最近の保護主義的な動きの帰趨やわが国経済へ及ぼす影響については、注意が必要との考えを示した。
続いて、地元経済界代表による発言に移り、豊田会長は、当地域経済については緩やかに改善しているとしたうえで、今後の見通しについては会員企業の多くが深刻な人手不足や米中間の貿易摩擦の拡大などを懸念材料にあげているとし、当地では特に米国の自動車輸入関税の引き上げに神経を尖らせている旨を述べた。
また、日本銀行に対して、現行の金融政策を高く評価する一方で、物価目標の達成は日本銀行の政策だけでは困難との考えを示し、政府とのさらなる連携の必要性を求めた。加えて、物価上昇率が目標に近づかない原因は、①サービス価格の伸び悩み、②力強さに欠ける消費の2点があるとし、既に日本銀行が持ち合わせている調査研究結果の開示や、原因分析などに力を発揮してほしい旨を要請した。