2025.3.25
提言・報告 / 活動報告
中経連は、3月25日(火)に開催した総合政策会議において、社会基盤委員会(委員長:柘植副会長)が取りまとめた、緊急提言「『強靱かつ持続可能』な上下水道事業に向けて~能登半島地震と八潮市道路陥没事故を受けて~」を承認し発表した。
今後、中経連会員をはじめ、国や自治体、関係団体などに幅広く配布し、認識共有化やさらなる議論に役立てるとともに、『強靱かつ持続可能』な上下水道事業に向けた要望などの諸活動にも活用していく。
【本文(上)】緊急提言「『強靱かつ持続可能』な上下水道事業に向けて 」(1P~38P)
【本文(下)】緊急提言「『強靱かつ持続可能』な上下水道事業に向けて 」(39P~60P)
【要旨】緊急提言「『強靱かつ持続可能』な上下水道事業に向けて 」
【概要】
上下水道は国民の生存権を保証する根幹となる社会基盤である。
しかしながら、本年1月、埼玉県八潮市において下水道管の破損に起因する大規模な道路陥没事故が発生し、2月には、千葉県大網白里市において水道管の漏水による道路陥没も発生した。また、2024年1月に発生した能登半島地震では、上下水道施設が広範囲に被災し、水道の断水解消や下水道の機能確保までの期間が長期化している。
近年、上下水道事業は、年間約20,000件に及ぶ水道管路の漏水、破損事故が発生する等の施設の老朽化に加えて、自然災害に対する脆弱性、人口減少による料金収入や事業職員数の減少等、様々な問題が顕在化してきており、上下水道はその持続可能性の危機を迎えている。
そこで、今回、中部経済連合会の社会基盤委員会では、上下水道事業の現状、問題点およびあり方について、報告書に取りまとめた。その内容は以下のとおりである。
1.上下水道事業の現状と問題点
(1)老朽化の進行
(2)耐震化の遅れ
(3)事業者の経営基盤の脆弱性
①不均衡かつ不足する収入
②公費負担の少ない財務状況
③上下水道部門の職員数の減少
④料金決定等の事業運営の困難さ
2.上下水道事業のあり方
(1)更新と耐震化の加速化
(2)広域連携や広域化による事業体規模の拡大
(3)官民連携による事業の効率化
(4)事業継続のための利用者負担の増加および国による財政支援のさらなる拡大
(5)国民理解の促進およびプレゼンスの向上