2025.3.25
プレスリリース / 会長コメント
本日、私からは、
・緊急提言「『強靱かつ持続可能』な上下水道事業に向けて」の策定
・「2025年度事業計画」の策定
・役員人事
の3点について、お話しいたします。
<緊急提言「『強靱かつ持続可能』な上下水道事業に向けて」の策定>
はじめに、本日策定いたしました緊急提言「『強靱かつ持続可能』な上下水道事業に向けて」について、お話しいたします。
本書は、中経連副会長で東海旅客鉄道取締役相談役の柘植委員長のもと社会基盤委員会が作成し、本日の総合政策会議において承認を受けたため、公表するものです。
水は生命や地球環境の維持において、なくてはならない資源であり、上下水道は、国民生活や経済活動を支える社会基盤です。上下水道事業は現在、事業の強靱性や持続可能性を見つめ直すべき岐路に立っています。
とりわけ、施設における「耐震化の遅れ」と「老朽化の進行」は「焦眉の社会課題」であり、能登半島地震では耐震化されていない上下水道施設が甚大な被害を受け、断水が長期化する要因となったほか、本年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故は、約40年前に敷設された下水道管の破損が一因とされています。
上下水道施設の多くは今後、法定耐用年数を迎え、設備の更新を要することに加え、中部圏においては、南海トラフ巨大地震などの発生を見据えた耐震化が不可欠です。
中経連は本書を通じて、上下水道事業の課題を整理した上で、国のリーダーシップのもとで財政支援のさらなる拡大に向けた検討が進むことを求めるとともに、各自治体に対しては、地域の実情を踏まえた将来像を描き、設備更新の効率化や事業の広域連携などを推進するよう働きかけていきたいと考えております。
<「2025年度事業計画」の策定>
次に、本日策定いたしました「2025年度事業計画」について、お話しいたします。
中経連は先月、2050年頃の社会を展望し、当地が目指すべき進路を示す羅針盤として、「中部圏ビジョン2050」を公表いたしました。
2025年度は、ビジョンの実現に向けた新たなスタートを切る年として、本日策定した事業計画を一つひとつ具体化し、粘り強くやり遂げていくことに力を注いでまいります。
(産業の進化と多様化への貢献)
まず、「産業の進化と多様化」にあたっては、製造業のスマート化に資する調査研究のほか、脱炭素技術の社会実装に向けた産学官連携による取り組み、広域観光の振興やイノベーション創出に向けた活動などを推し進めていきます。
(人材・働き方の高度化への貢献)
次に、「人材・働き方の高度化」に向けては、副業や兼業など、社会環境の変化に応じた働き方に関する調査をはじめ、博士人材や外国人留学生の活躍を支える取り組み、外国にルーツを持つ児童への学習支援による多文化共生の推進などに貢献してまいります。
(魅力と活力ある地域社会の形成への貢献)
「魅力と活力ある地域社会の形成」にあたっては、観光や防災など広域で共通する課題の解決に向けて産学官連携を深めるほか、リニア中央新幹線の開業効果を最大化させる交通インフラの整備に向けた活動などに注力していきます。
(経済団体としてのベースとなる活動)
加えて、当地の声を国へ届ける政策提言のほか、9月に愛知県で初開催される旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン」や、来年に控える「アジア・アジアパラ競技大会」など、当地で開催される国際イベントの成功に向けて汗をかいていきたいと思います。
(「ACTION2030」の策定)
さらに、2025年度は、ビジョン実現に向けたマイルストンとして、今後5年間の中期活動指針「ACTION2030」を策定する中で、産学官金などのプレイヤーが活動しやすくなるよう、取り組みの方向性を明確化していきます。
中経連としては、当地の地域間や産学官金の「接着剤」として、プレイヤー同士をつなぎ、目線を合わせるための「場づくり」や、「触媒」として、各活動における共創を促すことなどを通じて、ビジョンで掲げた「豊かで持続可能な社会の実現」に貢献してまいります。
<役員人事>
次に、中経連の役員人事について、お話しいたします。
中経連は、本日開催いたしました理事会において、4月1日付けの新たな専務として、現在、中部電力専務執行役員の平松岳人さんに就任いただく人事を報告し、了承されました。
平松さんは、今後の手続きを経て、6月に開催する定時総会後の理事会による承認をもって、専務理事に就任する予定です。
現在、専務理事の増田さんは定時総会をもってご退任されます。
中経連は、6月から始まる新たな体制のもとでも引き続き、ビジョンの実現に向けた取り組みを通じて、社会課題の解決や当地の競争力向上に貢献してまいります。
<「愛・地球博20祭」のご案内>
最後に、いよいよ大阪・関西万博の幕開けが、残り2週間あまりに迫ってまいりました。あわせて、本日は、2005年に、ここ愛知県で開催された「愛・地球博」の開幕から20年を迎えます。
長久手市の愛・地球博記念公園では本日から9月にかけて、「愛・地球博20祭」とネーミングした記念イベントを開催いたします。
本イベントは、愛知万博が遺したレガシーを若者や未来につなぐとともに、歴史や文化、食など、愛知県が有する多彩な魅力を参加者にお届けし、地域への愛着を深めていただくことを目的としています。
報道機関の皆さまも是非、現地まで足を運び、体感いただく中で、万博の意義について、改めて目を向ける機会になればと思います。