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東海地域経済懇談会 水野会長 開会あいさつ要旨(2/6)

<はじめに>
皆様、本日はお忙しい中、東海地域経済懇談会にご出席いただき誠にありがとうございます。中部経済連合会の水野でございます。当地を代表し、一言ご挨拶申し上げます。
まず、十倉会長をはじめ、経団連の皆様には、ここ名古屋までお越しいただきましたこと、心より御礼申し上げます。また、当地の会員の皆様にも、多数ご出席いただきましたことに重ねて感謝申し上げます。

<経済情勢>
現在、日本経済は大きな転換期を迎えております。物価上昇を上回る持続的な賃上げの定着、加速する少子化、そして、東京一極集中による地方の人口流出といった喫緊の課題に対し、迅速かつ的確な対応が求められています。
一方、世界に目を向けますと、ウクライナや中東の情勢不安、中国経済の減速に加え、トランプ大統領の関税をめぐる発言が、世界経済の先行きに不透明感をもたらしています。
こうした環境下、日本政府には、明日予定されている日米首脳会談を契機に、両国の国益に資する形で日米関係を新たな次元へと引き上げていただくことを期待しております。
同時に、私たち経済界も、リスクを正しく見極め、柔軟かつ果敢に対応していく姿勢が求められます。

<中部圏ビジョン2050>
このような不確実性が高い時代において、私たち経済団体には、地域の産学官金をつなぎ、共通の将来像を見据えながら、明確な方向性を示す役割があると考えております。
そこで中経連は今月3日、2050年頃の社会を展望し、当地が目指すべき進路を示す「羅針盤」として、「中部圏ビジョン2050」を策定いたしました。
本ビジョンでは、日本全体の課題とその対応策を整理した上で、中部圏がどのように貢献できるかを、産業・人材・地域社会の3つの観点から「目指す姿」として描き、必要な取り組みを提示しております。
特に産業面では、当地の強みである製造業の「スマート化」を起点に、「産業の進化と多様化」を推進するとともに、人材を成長の源泉と位置付け、多様な人材が活躍できる「世界の先進地域」を目指してまいります。
また、リニア中央新幹線の開業を見据え、中部圏の魅力をさらに磨き上げることで、「東京一極集中の是正を実現するモデル地域」としての役割を果たしていきたいと考えております。
中経連は、これらの取り組みを通じて、中部圏が若者や女性をはじめ、国内外の多様な人材を惹きつける魅力ある地域となるよう、産学官金の連携を一層深めてまいります。

<中部の明るい話題>
こうした中、当地では未来を切り拓くさまざまな動きが生まれています。
一昨日から本日までの3日間、グローバルなスタートアップの祭典「TechGALA Japan」 が初開催され、大きな注目を集めています。
2日目の昨日は、9カ国・地域のスタートアップ16社が登場するピッチコンテストのほか、「海外スタートアップから見た日本と愛知」など、幅広いテーマによるトークセッションが行われました。
昨日までの2日間で、各会場は国内外から訪れた多くの方で満席になるなど盛り上がりを見せており、最終日の本日、目標とする来場者数5,000人を超える見込みであります。
これを契機に、当地のスタートアップ・エコシステムがますます発展することを期待しております。

また、中部の発展を後押しする明るいニュースが続きます。

本年、中部国際空港は2005年の開港から20周年を迎えました。
2027年度には代替滑走路の供用が開始され、現滑走路の大規模補修も進められることで、中部圏の航空ネットワークはより強化され、利便性が一層向上する見込みです。
さらに、今年9月には世界最大級の「旅の万博」であります、「ツーリズムEXPOジャパン2025」 が愛知県で初開催されます。
加えて、2026年には「アジア・アジアパラ競技大会」、2028年には「世界技能オリンピック」が控えております。
これらの機会を生かし、当地の歴史・文化・伝統工芸などの魅力を国内外へ積極的に発信することで、新たな人流を生み出し、地域の活性化につなげていきたいと考えております。

<最後に>
本日、皆様と意見を交わし、経団連と中部経済界の認識を共有することは、目の前に広がる不確実性を乗り越え、力強い日本の未来へと踏み出す新たな一歩となるはずです。

この懇談会が実り多きものとなることを祈念し、私の開会のご挨拶とさせていただきます。

 

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