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「中部圏ビジョン2050 豊かで持続可能な社会の実現 ~中部圏が貢献できること~」を公表(2/3)

中経連は、2月3日(月)、「中部圏ビジョン2050 豊かで持続可能な社会の実現 ~中部圏が貢献できること~」(以下、ビジョン)を公表した。
本ビジョンは、先行きが不透明感を増す世の中において、当地の産学官金が同じ方向を見据え、歩みを進めていくために、経済委員会(委員長:高原副会長)が中心となって取りまとめ、2月3日(月)に行われた総合政策会議において承認された。
また、中経連はこのビジョンの実現に向けて、今後5年間の取り組みを別途「中期活動指ACTION2030」として3月を目途に公表する予定で、地域や産学官金の“新しい時代にふさわしいつなぎ役”となり、中部圏ひいては日本が豊かで持続可能な社会となるよう貢献していきたいと考えている。

中部圏ビジョンの内容は以下の通り。
・中部圏ビジョン要旨【PDF】
・中部圏ビジョン本文【PDF】

策定の経緯

中経連は2019年3月に「中部圏の将来ビジョン ~2050年を見据えた中部圏の広域的な地域づくり~」を公表した。
その後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴うパンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの高まりやこれに起因した世界的な資源高やインフレ、欧米の財政・金融政策の転換、経済安全保障をめぐる動向、生成AIの登場など経済社会をめぐる環境は激変した。とりわけ世界の分断と対立によって自由と民主主義が危機にさらされており、先行きを見通すことが困難な状況が続いている。
日本に目を転じれば、長いデフレ時代からようやく脱却しつつある中、今後、物価と賃金の好循環を達成できるかが問われているとともに、未だに効果的な対応がなされているとは言い難い人口減少・少子化や東京一極集中などの構造的課題についても、真摯に向き合う必要がある。
このような中、現在がさらなる飛躍につなげられるか否かの「分水嶺」との認識の下、あらためて将来を見据えた「中部圏ビジョン2050 豊かで持続可能な社会の実現 ~中部圏が貢献できること~」を策定した。

ビジョンの構成

ビジョンでは、人口減少や地球環境悪化を念頭に、2050年頃には「豊かで持続可能な社会」を実現していることが重要とし、そこに向けた日本全体の課題と対応の方向性を10の項目(人口減少、経済、労働、地域など)に整理した。
続いて、これらの課題解決に向けて中部圏としてどのように貢献できるかを考え、目指す姿を「産業の進化と多様化」「人材・働き方の高度化」「魅力と活力のある地域社会の形成」の3つの観点で整理した。
最後に、目指す姿の実現に向けて中部圏として必要な取り組みを、同じく3つの観点から打ち出した。

ビジョンのポイント

①「産業の進化と多様化」

中部圏の強みである製造業のスマート化を起点にDXとGXにより産業の進化と多様化を進め、さらには産業による社会システム( 交通システム、物流システム、医療システム、エネルギーシステムなど)の変革により新たな価値を創出し社会課題を解決する仕組みを中部圏発で日本・世界に展開することを目指す。

②「人材・働き方の高度化」

「人」を成長の源泉と位置づけ、人的資本投資を拡大し、生成AIの普及・発展も前提に、多様な人材が活躍できるよう、国内外から人を引き付ける地域として「人材・働き方」においても、わが国および世界の先進地域を目指す。

「魅力と活力のある地域社会の形成」

リニア中央新幹線の開業や「日本中央回廊」の形成効果を最大限生かし、名古屋と中核都市を中心とした圏内の多極分散、文化・芸術なども含めた魅力ある地域づくりなど、東京一極集中の是正を実現するひな型を示す地域を目指す。

<本文より図表抜粋:未来型工場のイメージ(全体像)>

<本文より図表抜粋:リニアを生かした仕事・生活のイメージ(東京・名古屋間開業)>

<本文より図表抜粋:リニアを生かした仕事・生活のイメージ(全線開業)>

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