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水野会長「2月度定例記者会見」あいさつ要旨(2/3)

会長人事

まず、中経連の会長人事について、お話しいたします。
中経連は、本日開催いたしました「会長・副会長選考委員会」において、6月18日に予定しております定時総会をもって、私が会長を退任し、勝野副会長を後任とする人事について決定いたしました。
新会長は、今後の手続きを経て、定時総会後の理事会において正式に就任することになりますが、本日、勝野副会長が「次期会長の候補者」として内定したことをご報告いたします。

私は2020年6月、中経連の会長に就任し、現在5期目を務めております。
会長就任時を振り返りますと、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、わが国で初めて発令された緊急事態宣言により、私たちの暮らしや経済活動、そして、中経連の取り組みは大きな制約を受けるなど、先行き不透明な難局に直面していた時期でありました。
このような中で、私は、「中部圏が持つ総力を結集し、突破する」ことを基本姿勢に、副会長の皆さまとともに、地域間や産学官金の「つなぎ役」としての活動量を増やしながら、コロナによる様々な壁と向き合い、挑戦を続けてまいりました。
微力ながらも、コロナ禍からの復活や中部圏の発展に向けて尽くしてまいりましたことを誇りに思うとともに、皆さまからのご支援・ご協力に対し、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
私の残された任期はわずかではありますが、引き続き、中経連会長としての職責を全うし、社会課題の解決と当地の競争力向上に貢献していきたいと思います。

さて、本日、私からは、
・「中部圏ビジョン2050」の策定
・「TechGALA Japan」の開催
の2点について、お話しいたします。

「中部圏ビジョン2050」の策定

はじめに、本日策定いたしました「中部圏ビジョン2050」について、お話しいたします。
本ビジョンは、中経連副会長で三菱UFJ銀行副頭取の高原委員長のもと経済委員会が中心となって作成し、本日の総合政策会議において承認を受けたため、公表するものです。

わが国は現在、加速する少子化や東京一極集中による地方の人手不足に直面するほか、ウクライナや中東情勢の不安、中国経済の減速、そして、トランプ大統領の政策による影響などが、経済の先行きに不透明感をもたらしています。
このように不確実性が増す時代においても、中部圏の持続可能性を高めていくためには、当地の産学官金が同じ方向を見据え、歩みを進めていくための中長期的な「羅針盤」が必要と考えております。

本日公表したビジョンは、第1部において、2050年頃の「豊かで持続可能な社会」を展望し、その実現に向けた日本全体の課題と対応の方向性について、人口減少や経済、労働、地域など10の観点から整理いたしました。

第2部では、当地が、これらの課題解決に貢献するために、3つの観点、すなわち、
・「産業の進化と多様化」
・「人材・働き方の高度化」
・「魅力と活力ある地域社会の形成」
から「目指す姿」を描いた上で、第3部において、それぞれの実現に向けて必要な取り組みを提示いたしました。
まず、「産業の進化と多様化」の実現に向けては、特に、当地の強みである製造業が、研究開発、設計、調達、生産などサプライチェーン全体で「スマート化」を推進すると同時に、多様な産業の融合を通じ、既存産業の高付加価値化や新規領域の開拓を循環させる仕組みを構築することが重要と考えております。
次に、「人材・働き方の高度化」にあたっては、世界の舞台で活躍できる多様な人材を育成する教育システムの構築をはじめ、労働力不足の解消につながる生成AIやロボットなどとの共生、ジョブ型雇用の導入やリカレント・リスキリング教育の活発化などが求められます。
最後に、中部圏で「魅力と活力ある地域社会」を形成していくためには、リニア中央新幹線の開業が、大きな「起爆剤」になると考えております。リニアをはじめとする「日本中央回廊」の形成は、人やモノの交流促進に伴うイノベーション創出のほか、働き方や暮らし方の変容、交通網の多重化によるレジリエンス向上などが期待できます。
この効果を最大限生かしながら、観光や文化、芸術などの振興を含め、国内外から人を呼び込む地域づくりを進めることで、東京一極集中の是正を実現する「ひな型」を示していきたいと思います。

中経連としては、当地の産学官金をはじめとする多くの皆さまに本ビジョンをご覧いただき、グランドデザインを共有した上で、中部圏の持続可能性の向上に向けた取り組みに力を合わせていきたいと考えております。

「TechGALA Japan」の開催

次に、いよいよ明日から3日間にわたり、名古屋市内で初めて開催されるグローバルスタートアップイベント「TechGALA Japan」について、お話しいたします。
このイベントは、ナゴヤイノベーターズガレージステーションAi、中日ホールなどを舞台に、国内外から5,000人程度の参加者を見込んでおります。
とりわけ、海外のスタートアップや投資家などに対し、中部圏が誇る技術力やイノベーションの魅力を直接発信できる、またとないチャンスと考えており、ものづくり産業とスタートアップの融合による中部圏独自の産業創出につながることが期待できます。
テックガラを「トリガー」にし、かつて「スタートアップ不毛の地」とも言われた当地のイメージを一気に変えていきたいと思います。
報道機関の皆さまにも是非、現地をご取材いただき、中部圏におけるイノベーション創出に向けた熱量を体感いただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。

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