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西日本経済協議会 第66回総会 水野会長 開会あいさつ要旨(10/8)

<はじめに>
西日本経済協議会総会の開会にあたりまして、幹事経済連合会として挨拶申し上げます。
今年は元日の能登半島地震に始まり、8月には宮崎県沖の日向灘を震源とする地震のほか、九州や四国など西日本を横断した台風10号、さらには先月、復興に向けて歩みを進めていた能登を再び襲った記録的な大雨が、私たち地域の暮らしや経済活動に大きな影を落としています。
改めまして、犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災されたすべての方々に対して、心からのお見舞いを申し上げ、一日も早く平常に戻ることをお祈りいたします。
西日本においては、台風や豪雨などの自然災害だけでなく、南海トラフ巨大地震の発生が懸念されるなか、今総会のテーマにもあります「強靱性」の向上に向けた、防災や減災に資する活動の必要性を再認識しているところであります。
さて、ようやく秋の気配が漂い始めた下呂の地で迎える本日の総会には、中部はもとより、関西・四国・九州・中国・北陸の各地域から170名を超える方々にご出席を賜り、心より感謝申し上げます。
西日本経済協議会は今から約60年前、わが国が高度経済成長期を迎えた1965年に設立されました。
「6つの経済連合会が、西日本全域で調和のとれた発展を目指し、互いに連携・協力を図る」とした設立理念は、少子高齢化に伴う労働力不足や東京一極集中による地域経済の縮小など、足もとで直面する共通課題を解決する上で、改めて、団結の重要性を示しています。
本日の総会は、「強靱で魅力に溢れる地域の創生を目指して」をテーマに意見交換し、取りまとめた声をひとつの大きな力に変えて、国へ届けていくことを目的としています。

 <共通する課題認識と総会の意義>
国内経済に目を向けますと、わが国は現在、約30年ぶりの高水準となった賃上げを追い風に、長らく続いたデフレに終止符を打ち、コロナ禍からの完全復活に向けた「再出発の時」を迎えています。
他方、過去最低を更新する出生率や個人消費の足を引っ張る物価高をはじめ、世界に目を転ずれば、ウクライナや中東の不安定な情勢、米中経済の行方などが、わが国経済の先行きに不透明感をもたらしています。
これらは、今日ここにお集りの皆さまに共通する懸念事項ではないでしょうか。
私たちは今、この目の前に広がる不確実性を打破し、その先に続く持続可能な未来を描いていけるかどうか、その「分水嶺」に立っています。
このような中、弊会では現在、2050年頃にありたい当地の姿を意識しながら、中部圏のビジョンの策定を進めています。
わが国は今後、人口減少がさらに加速し、「労働力の稀少化」や「経済規模の縮小」に直面していると想像されます。
その上で、中部圏の持続可能性を一段と高めていくためには、とりわけ、当地の強みである製造業がスマート化するなどの進化を遂げるとともに、様々な分野が融合し、新たな産業を創造していくことが重要と考えております。
また、成長の原動力となる「ヒト」を国内外から惹きつける、安全で住みやすいまちづくりのほか、若者や女性、外国にルーツを持つ方などの多様な人材が能力を存分に発揮し、活躍できる環境の整備を推し進めていくことも不可欠です。
これらの視点は中部地域だけでなく、各経済連合会と認識を同じくするものと考えており、本日の意見交換の中で議論を深めていきたいと思います。

<大阪・関西万博の開幕に向けて>
さて、この後、齋藤様による記念講演の演題にもありますとおり、大阪・関西万博の開幕がいよいよ半年後に迫ってまいりました。
来年4月に始まる万博は、大阪や関西にとどまらない国家プロジェクトであり、とりわけ、私たち西日本が総力を挙げて盛り上げていくことが重要と考えています。
大会の成功に向けて、関西経済連合会の松本会長を中心に、私たちが力を合わせ、各地域でさらなる機運の醸成を図っていければと思います。

 <おわりに>
さて、本日の会場である下呂温泉は、江戸時代の儒学者である林羅山が有馬、草津と並ぶ「日本三名泉」と称した地であり、歴史ある温泉郷の雰囲気のもと、皆さまとの親睦を深めてまいりたいと思います。
また、明日からの2日間は、隣接する高山市で豪華絢爛な屋台が見どころの高山祭が開催されます。ぜひ、当地の自然とともに伝統行事をお愉しみいただくなど、秋めいてきた飛騨地方をご堪能いただければと思います。
結びに、私たち経済団体は各エリアで、産学官や地域をつなぎ、ベクトルを合わせることで、「地域力の向上」に向けた取り組みを推進するなか、広域で共通する課題に対しては、一丸となって解決していくことが求められます。
本日が、「地域間の連携を図り、西日本の力強い発展に向けた道を切り拓いていく」という本協議会の理念をより強く共有する契機となり、次世代が躍動する未来の実現に向けた一歩に繋がることを祈念いたしまして、開会の挨拶とさせていただきます。

 

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