2024.7.26
プレスリリース / 会長コメント
本日、私からは、至近における中経連の活動として、
・カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み
・静岡県との懇談
の2点についてお話しいたします。
<カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み>
(「第2回カーボンニュートラル共創シンポジウム」の開催)
はじめに、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みについて、お話しいたします。
中経連は、中期活動指針「ACTION2025」の中で「付加価値の創造」を柱のひとつに掲げ、中部圏におけるカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを推進しています。
カーボンニュートラルの実現に向けては、従来の延長線上にない革新的技術の活用が不可欠であり、大学が有するシーズと企業のニーズが融合し、生み出された技術が社会実装されていく環境の構築が重要と考えております。
この環境づくりを加速させる呼び水として、中経連は今月9日に、中部5県の全国立大学による連携組織「シー・フロンツ」とともに、「カーボンニュートラル共創シンポジウム」を開催いたしました。
シンポジウムには企業や自治体、大学などから約660名の方にご参加いただき、脱炭素社会の実現に向けて産学官金が一致団結し、具体的な共同研究や共創活動を進めることの重要性を確認いたしました。
中経連は引き続き、シー・フロンツとの連携を深めるほか、当地の産官が一体となって水素・アンモニアの利活用などを目指す「中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議」への参画を通じ、中部圏におけるカーボンニュートラル実現に向けた挑戦を後押ししてまいります。
(エネルギー基本計画改定に関する要望活動)
カーボンニュートラルを実現するためには、革新的技術の社会実装に向けた産学官連携と同時に、とりわけ、多くの温室効果ガスを排出するエネルギー分野における取り組みを力強く前進させる必要があります。
わが国では現在、中長期的なエネルギー政策の指針となるエネルギー基本計画の改定に向けた検討が進められている中、中経連は本年5月に、提言書「次期エネルギー基本計画策定に対する提言」を公表いたしました。
今月10日には、エネルギー・環境委員長の勝野副会長が関係閣僚や国会議員を訪れ、既設原子力発電所の最大限の活用や新増設・リプレースに向けた政策を進めるほか、需給変動の調整役を担う火力発電の脱炭素移行期における活用方針の明確化などを求め、政策への反映を要望いたしました。
中経連は今後も、脱炭素化のほか、当地が直面する社会課題の解決に向けた中部経済界の声をしっかりと国へ届け、具現化につなげる活動に注力することで、中部圏の持続的な発展と地域力向上に貢献してまいります。
<静岡県との懇談>
次に、今月17日に開催いたしました、静岡県との懇談会について、お話しいたします。
中経連は毎年、中部5県および名古屋市との間で、それぞれが向き合う諸課題や施策の方針を共有し、連携を深めるための懇談会を開催しております。
静岡県との懇談では、鈴木知事と初めてお会いし、人口減少社会における人材育成や新たな産業の創出、GXの実現に向けた取り組みなどについて率直に意見交換する中で、目指すべき方向性と静岡県との強固な連帯を再確認することができました。
とりわけ、リニア中央新幹線静岡工区の早期着工に向けては、スピード感を持って、様々な観点から丁寧な議論を重ね、前に進めていくことが重要との認識で一致いたしました。
中経連としては、本年3月に策定した提言書を通じ、「日本中央回廊」の効果最大化に資する道路ネットワークの整備を国へ働きかけることで、リニア開業を前提としたまちづくりや強靭な国土形成の実現に貢献してまいります。
<アジパラの開幕に向けて>
最後に、本日からフランス、パリでは、100年ぶりとなるオリンピックが開幕し、パラリンピックを含め、約30日間にわたる熱戦が繰り広げられます。
そして2年後、この熱気は、ここ愛知、名古屋にあります。
2026年9月に開催される「アジア・アジアパラ競技大会」は、競技数、参加選手数ともにパリオリンピックを上回る規模であり、スポーツが生み出すエネルギーが当地に活気をもたらし、中部圏の魅力を国内外へ発信する絶好のチャンスです。
先日、大会メイン会場のひとつで最大1万7000人の収容人数を誇り、最先端テクノロジーを駆使したワールドクラスの施設「IGアリーナ」を視察し、躍動する選手と海外から訪れる観衆をひとつにさせるような臨場感や、ハイクオリティーな雰囲気を作り出すであろうパワーを強く感じました。
中経連としては今後、大会の成功と地域活性化に向けて大いに盛り上げていきたいと考えており、官民が一体となって、機運の醸成と着実な準備を推し進めてまいります。