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マイナス金利政策の解除等の決定に関する会長コメント

日本銀行は、本日の金融政策決定会合において、マイナス金利政策を解除し、無担保コールレートを0~0.1%程度で推移するよう促すこと、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)や上場投資信託(ETF)などリスク資産の買入れを終了する一方、これまでと概ね同額の長期国債の買入れを継続することを決定した。事実上、異次元金融緩和政策の終了といえる。

今回の政策変更は、本年1月に開催した会合の発言内容をまとめた「主な意見」をみても、「マイナス金利解除を含めた政策修正の要件は満たされつつある」との、金融正常化への手応えを示す声が多かったことや、2月以降も複数の日銀要人からの前向きな情報が発信され、市場への政策変更への地ならしが徐々に進められていたことから、特段のサプライズはない。株式・為替市場への影響もほとんどなかったようだ。また、直近明らかになった高水準の春闘賃上げ率も後押ししたと認識している。

政策変更の判断において、日銀が従来より主張していた「賃金の上昇を伴う形での、持続的・安定的な2%の物価目標の実現が見通せる状況に至った」ということではあるが、足元では消費の動きが弱含んでいること、賃上げと価格転嫁がなお十分でない中小企業が存在することなどを踏まえると、今後の物価と賃金の好循環の実現を確実にすることが重要である。
その観点から、引き続き緩和的な金融環境が継続されることは評価したい。今後の金融正常化に向けたプロセスは、現在実施されている多角的レビューから得られた知見も活かして、景気回復に水を差さないよう慎重な姿勢で臨んでいただきたい。

一般社団法人中部経済連合会
会長  水野 明久

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