2022.11.7
活動報告
経済委員会は、2022年度の第2回講演会を、10月11日(火)、会場(名古屋栄ビル 12階 大会議室)およびオンラインにて開催し、委員長の勝野副会長をはじめ約605名が参加した。
多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授の市川芳明氏を講師に迎え、「経済発展の切り札としてのルール形成と国際標準化」と題した講演会を開催した。
市川氏は、カーボンニュートラルを例に、国際標準を巡る近年の世界の動きや、国際標準を産業政策等と組み合わせ戦略的に活用している欧州と日本の違いを説明した。
次に、ネットワーク効果により指数関数的な成長が見込まれる産業エコシステムの構築には、国際標準をはじめとしたルールや仕組みを持ったプラットフォームが必要との考えを示した。また、ルールテイカー(ルールを受け入れる側)が多い日本企業の課題や国際標準化の事例などを紹介するとともに、日本発のコンセプトであるSociety5.0の実現に向けて、トランジション期の国際標準化に取り組む重要性を説いた。
最後に、「日本企業は国際標準をはじめとしたルール形成による市場拡大・創出を事業戦略に組み込むこと」「幅広い業種横断的な国際規格策定は民間では難しいため、政府主導で統合的な取り組みを展開すること」「国際舞台で活躍できる組織体制や人材育成の強化」の必要性を強調した。