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水野会長「12月度定例記者会見」あいさつ要旨

12月6日(月)、水野明久 中部経済連合会会長の定例記者会見を開催し、中部圏の景気動向や、今年一年の振り返りと来年の抱負について述べました。

◇足元の景気動向
中経連が12月2日に公表した景況感の現状と見通しでは、10月26日から11月18日の間に調査した、10月から12月のD.I.値、すなわち、景況判断を「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を差し引いた値は、プラス0.5ポイントと、前回公表した7月から9月のプラス2.9ポイントを2.4ポイント下回り、6期ぶりの悪化となりました。
業種別では、コロナショックからの持ち直しにより建設業や非製造業は改善した一方、原材料価格の高騰や、半導体などの供給制約により製造業は悪化しており、全体では足踏み状態にあります。
供給制約は一時的なものであり、今後、緩やかな改善が続くものと思われますが、新たな変異株への懸念もあり、動向を注視してまいります。

◇今年一年の振り返りと来年の抱負
今年を振り返りますと、昨年同様、新型コロナウイルスの感染拡大が、1年を通して社会・経済へ大きな打撃を与えました。
現在、わが国の感染は比較的抑制された状況にありますが、新たな変異株への感染者が確認されたとの報道もあることから、引き続き、官民挙げて、対策に万全を期すと同時に、落ち込んだ経済を早期に回復させる取り組みが重要となります。
10月に誕生した岸田政権には、デジタル化やDXの推進、2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組み、イノベーションの活発化、地域創生など、ポストコロナを見据え、成長に資する戦略を強力かつ迅速に推し進めていただきたいと思います。
さて、今年4月に創立70周年を迎えた中経連では、中部圏の地域力向上にむけて、広域の産学官が連携し、コロナからのダメージ回復とポストコロナを見据えた活動に取り組んできました。
コロナからのダメージ回復では、国や自治体に対して、飲食・宿泊、航空宇宙など、苦境が続く事業者・産業に対する支援や、景気刺激策の検討などを要望しました。
ポストコロナを見据えた活動では、イノベーションの活発化やスタートアップの創出に向けて、先月、皆さまにお話しましたように、ナゴヤ イノベーターズ ガレージを来年7月頃に拡張し、“たまり場”として、志を持つ方々の交流を活発にしていきます。
また、次世代モビリティの産業形成を進める枠組み「中部先進モビリティ実装プラットフォーム」の立ち上げカーボンニュートラルの実現に資する「マイクログリッド導入ハンドブック」策定にも取り組みました。加えて、「中部圏水素利用協議会」や「名古屋港カーボンニュートラルポート検討会」にも参画しており、地域一体での取り組みを進めているところです。
魅力と活力ある地域づくりに向けて、名古屋商工会議所と東京一極集中の是正と地域の機能強化に向けた提言や、国土強靱化税制の拡充に資する活動を進めました。
また、新たな試みとして「中部の魅力を語るなでしこの会」を設置し、女性目線で中部圏の魅力発掘や、魅力発信のあり方について検討を進めています。

今後はこうした活動に加え、中部圏の実力を定量評価し、伸ばす領域や取り組む方策を明確にするとともに、各地域それぞれの取り組みを支援し、地域経済の活性化に取り組んでいきます。
普遍的な課題である「人づくり」については、外国人材の活躍促進に資する報告書の策定、WEBサイト「中部圏デジタルのすすめ」の開設、中部圏に合った雇用慣行の見直しに向けた調査・研究などに取り組むとともに、更なる成果を積み上げるべく活動を進めています。

さて、来年は、6月に策定した「中期活動指針『ACTION2025』」の2年目を迎えますが、特に地域創生に重点を置き、指針の3つの柱である「付加価値の創造」、「人財の創造」、「魅力溢れる圏域の創造」に基づいた活動を、産学官・地域間の連携により推進し、中部圏の地域力向上を目指す1年としたいと考えています。

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