2021.7.21
会長コメント
7月21日(水)、水野明久 中部経済連合会会長の定例記者会見を開催し、国土強靱化税制の整備・創設に向けた取り組みや、「中部の魅力を語る なでしこの会」の設置等について紹介しました。
◇熱海市で発生した土石流
7月3日に静岡県熱海市で、大規模な土石流による甚大な被害が発生しました。お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々が一日も早く普段の生活に戻ることができるよう心よりお祈り申しあげます。
◇コロナ禍での活動状況
足もとの新型コロナウイルスの状況ですが、愛知県では、まん延防止等重点措置が解除され、社会経済活動が早期に正常化していくことが期待されます。一方、変異株などによる感染再拡大に対しては、引き続き、十分な警戒が必要でありますので、経済界としましてもテレワーク、時差出勤を継続して実施してまいります。
こうした中、中経連では、中部航空宇宙産業技術センター(C-ASTEC)と連携し、コロナによる影響の長期化が避けられない航空宇宙産業への支援策について、国への要望を検討しているところです。
また、ポストコロナを見据えた「デジタル化」、「カーボンニュートラル」への対応は、中経連の活動の柱となっております。
「デジタル化」については、デジタル人材の育成が重要であり、デジタルスキル学習の意欲喚起につながる情報を盛り込んだコンテンツづくりなどに向けて、各県・市とも協調し取り組んでおります。
「カーボンニュートラル」については、今年度は、経済委員会とエネルギー・環境委員会が共同して提言を行いたいと考えており、「中部圏がカーボンニュートラル社会にどのように対応していくのか」をテーマに検討をしているところです。
今後も引き続き、コロナショックによるダメージの回復とポストコロナを見据えた活動にしっかりと取り組んでまいります。
◇国土強靱化税制の整備・創設に向けた取り組み
中経連では、東日本大震災を機に、2011年9月以降、事業規模を問わず全ての民間事業者が行う、あらゆる自然災害を念頭に置いた防災・減災投資の促進税制である「国土強靱化税制」の整備・創設を国に対して継続的に要望してきましたが、一部を除き、未だ実現には至っておりません。
国土強靱化税制は対象範囲が広い内容のため、関係する府省庁が検討する際のポイントが絞りにくかったことを踏まえ、今年度は全国の8つの経済連合会の会員企業へのアンケートを実施し、「旧耐震基準、情報通信施設等の建物の耐震診断・耐震化」など、優先項目を絞り込み要望書を取りまとめました。
また、要望実現の確度を高めるため、国への要望書の提出時期を例年の11月から時期を早めることとし、7月1日には、自民党主催の「第5回『国土強靱化税制』の整備・創設を支援する議員懇話会」の場で、要望活動を行いました。懇話会には、二階俊博自民党幹事長をはじめとする国会議員や、関係府省庁の方々に多数ご参加いただき、税制改正に向け着実に歩を進められたものと感じております。
防災・減災投資等については、官民の対策が「車の両輪」のように機能させることによって、我が国全体の強靱化へつなげていくことが肝要だと考えております。
産業界が防災・減災対策を自助努力として着実に進めていくためにも、是非とも税制面で背中を押していただきたく、引き続き、本税制の実現に向け、経済団体の力を結集して取り組んでまいります。
◇「中部の魅力を語る なでしこの会」設置
中経連は、2021年度事業計画や「中期活動指針『ACTION 2025』」に掲げる、地域力、すなわち、「活気に溢れ、人を惹き付ける力」の向上を図るためには、「何が必要か」「何に取り組むと良いか」などについて、多様な意見を幅広く求め、具体的なアクションにつなげる必要があると考えております。
また、男性中心となっている、中経連の活動について、ダイバーシティの観点から、女性の方々も積極的に参加し、女性の意見も反映した活動にしたいと考えております。
これらの実現に向けた場として、本日、「中部の魅力を語る なでしこの会」を設置することとしました。
この「会」の活動目的といたしましては、
・魅力と活力ある地域づくりに向けて、これまでの活動では気づけていない中部圏の魅力を発掘するとともに、中部圏の魅力に関するブランディング或いは魅力の情報発信のあり方などPR広報的な面についても意見をいただき、中部圏の魅力と活力を高めていく具体的なアクションにつなげること
・委員会や懇談会等の中部経済連合会の活動への女性の参加者は、現状、ごく僅かとなっていることから、女性も参加しやすい仕組みづくりについて意見をいただくこと
であります。
メンバーは、産学官の第一線でご活躍されている皆さまであり、まずは、7月30日に「中部圏の魅力」、「中部経済連合会の活動に女性が参加しやすい仕組みづくり」および「今後の活動方針」について、ディスカッションを行う予定です。
私としても「中部の魅力を語る なでしこの会」が中経連に新しい風を吹き込んでいただけるものと大いに期待するとともに、中経連の委員会などの活動の場で、多種多様な視点による意見が多数出されることが定着するよう、働きかけていきたいと考えております。