「経済財政運営と改革の基本方針2021（骨太の方針）」などが閣議決定された。

今回の方針では「グリーン」、「デジタル」、「地方創生」、「子育て」の４項目が今後の成長の原動力として具体的に示された。いずれもポストコロナの新たな時代に向け、わが国の経済を力強く牽引し、構造改革を進めるうえで不可欠な項目である。政府の方針を評価するとともに、今後は掲げた４項目について、実効性のある具体策がスピード感を持って確実に実施されることを期待する。

特に「地方創生」については、政府として過去から何度もテーマに掲げられてきたが、目立った成果にはつながっていない。今回こそ、従来の延長ではなく新しい視点からの政策により、十分な成果を出していただきたい。

一方、長引くコロナ禍でわが国の財政は大幅に悪化している。基礎的財政収支の黒字化は2025年に据え置かれたままであるが、財政健全化に向けた道筋は厳しいと言わざるを得ない。財政健全化に向けた取り組みを視野に入れたうえで、ポストコロナ時代の持続的な成長に資する改革に取り組んで頂きたい。

一般社団法人中部経済連合会
会長     水野  明久