2021.2.1
会長コメント
2月1日(月)、水野明久 中部経済連合会会長の定例記者会見を開催し、カーボンニュートラルに関するアンケート結果と経済委員会がとりまとめた提言書を公表しました。
◇新型コロナウイルス
新型コロナウイルスの再拡大に伴う、緊急事態宣言の再発令もあり、経済社会は大変厳しい状況が続いております。
中経連としても、引き続き、会員企業はじめ地域の状況を、国や自治体に伝えていくとともに、ポストコロナを見据えた取り組みを着実に進めていく考えであります。
◇名古屋港浚渫土砂の中部国際空港沖への埋め立て計画
1月29日には、名古屋港の浚渫土砂を中部国際空港沖へ埋め立てる計画について、漁業者と中部地方整備局との間で、補償交渉がまとまりました。
中経連では、かねてより中部国際空港の二本目滑走路の必要性を訴えてまいりましたが、今回の合意により、埋め立て工事着工への動きが進むこととなり、二本目滑走路の早期実現に向けても、大きく前進していくものと期待しているところであります。
引き続き、国などの関係機関に対して、地元官民での働きかけを進めてまいります。
◇バイデン政権発足
米国では、バイデン政権が発足いたしました。今後の政権運営を見なければ影響は読みづらいところではありますが、脱炭素社会の実現に向けて、環境政策を大転換する動きなどもあり、動向を注視してまいります。
◇カーボンニュートラルに向けた取り組み
昨年10月、菅首相は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を宣言されました。
12月には、カーボンニュートラルへの挑戦を、経済と環境の好循環につなげるための産業政策として「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定され、今後、エネルギー分野をはじめ、輸送・製造分野、家庭・オフィスを中心に急速に取り組みが進められていきます。
カーボンニュートラルの実現は、極めてチャレンジングな目標ではありますが、成長の機会・ビジネスチャンスと捉え、官民一体となって挑戦していく必要があります。
昨年12月に、中経連のエネルギー・環境委員会が、カーボンニュートラルに関するアンケート調査を会員企業に対し、実施しました。
アンケートでは、カーボンニュートラルに向けた取り組みを「ビジネスチャンスである」と前向きに捉える会員が多数を占めています。一方、実現に向けての課題として「技術革新」や「コスト」を挙げる会員が多く、国や自治体に対して「補助金の導入」、「技術導入に対する税の優遇」を求める会員の意見が多くありました。
今後、このアンケート結果も踏まえた提言を取りまとめ、中部経済界の意見を政府へ届けてまいります。
◇経済委員会による提言書
経済委員会による提言書「コロナショックからの教訓と経済社会の変革」は、勝野経済委員長のもと経済委員会が作成し、本日の総合政策会議にて承認を受け公表するものです。
会員企業へのアンケートや、中部圏の強み・弱みなどを明確にするSWOT(スウォット)分析を行うなど、中部経済圏の視点でコロナショックから得られた教訓・課題や、早期に対応すべき取り組みについてまとめております。
中経連としては、この提言書をもとに、政府や自治体などへ提言するとともに、提言の実現に向けて重要となる産学官広域連携の一層の推進に向け、産学官の「つなぎ役」としての役割をしっかりと果たしてまいります。
以上