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水野会長 「12月度定例記者会見」 あいさつ要旨

12月7日(月)、水野明久 中部経済連合会会長の定例記者会見を開催しました。
水野会長は、中部圏の景気動向や、今年一年の振り返りと来年の抱負について述べました。

中部圏の景気動向
10月27日から11月20日の間に調査した、10月から12月の中部圏の景況判断は、D.I.値マイナス34.2ポイントと、9月に公表した7月から9月のマイナス61.7ポイントから27.5ポイント改善し、低水準ながらも2期連続で改善となりました。
D.I.値は、景況判断を「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を差し引いたものですが、景況判断の内訳にあるとおり、「良い」の割合は微増に留まり、「さほど良くない」の割合が大幅に増加しており、コロナ禍による最悪期は脱したものの、回復の足取りは緩やかであることが読み取れます。
「業種別の声」にあるとおり、『輸送用機械』や『自動車部品』は、世界的な自動車需要の戻りを受け、「緩やかな回復見込み」、「持ち直しの動き」などの声がある一方、『工作機械』は、設備投資意欲の回復が鈍いことから「業況改善に及んでいない」、『建設』では、「国内建築は設備投資の見直しにより発注時期が延期になるものが発生」という声もあり中部圏の景気は業種によって状況はまだら模様であることがうかがえます。
いずれにしましても、国内外の感染者が増加傾向にあり、世界全体で再び経済活動が低迷する恐れがあるなど、先行きの不透明感は増しており、今後の動向を注視していく必要があります。

◇今年を振り返って
今年1年を振り返りましても、新型コロナウイルスの感染拡大が、社会・経済にとって最もインパクトのある出来事でありました。
コロナ禍により、様々な課題が浮き彫りになりました。
2月頃にはサプライチェーンの分断による生産拠点の過度な中国依存が浮き彫りとなり、グローバル展開する企業は生産拠点の国内回帰を含め、生産拠点の再構築を迫られることになりました。
その後、特別定額給付金のオンライン申請を巡る混乱や、リモート授業導入のもたつきなど、我が国全体でのデジタル化の遅れが顕在化しました。
菅政権下で、デジタル庁が創設されることとなりましたが、デジタルの推進はあらゆる領域で官民挙げて取り組むべき最優先課題の一つと考えます。
さらには、人や政府機能が集中する首都東京の一極集中を是正する機運が、コロナ禍を機に再び高まりつつあります。
まさに、経済活動や社会生活における常識を一変させた1年であったと感じております。
中経連におきましては、私が6月の中経連会長就任時に掲げた重点課題のうち、産学官の広域連携につきましては、「防災」、「観光」の両テーマで産学官関係者間での具体的な検討が進んでおり、今後も取り組みを加速してまいります。
イノベーションにつきましては、当地が選定された「スタートアップ・エコシステム グローバル拠点都市」に関する内閣府の具体的なプログラムを着実に実施するとともに、ナゴヤイノベーターズ ガレージの活動を更に充実し、イノベーションの機運を高めてきたいと思います。
また、普遍的な課題である「ひとづくり」について、人材育成委員会で検討を重ねていますが、本日の総合政策会議で、その中間報告を行いました。
日本型雇用慣行や、ジョブ型雇用が抱える課題などを洗い出すとともに、これからの時代に相応しい雇用およびその雇用に適応する人材育成の在り方について、今後検討を深めてまいります。
先般お知らせしました、東京一極集中の是正に関する名古屋商工会議所との共同提言につきましては、検討も大詰めを迎えており、1月に公表させていただく予定です。

◇来年への抱負
中経連は、来年4月に、創立70周年という節目の年を迎えます。
これまでも会員や産学官関係者の力をお借りして、様々な課題に取り組んでまいりましたが、来年も中経連は、「力を結集し、突破する」をスローガンに掲げ、産学官および広域5県のつなぎ役として中部圏を盛り上げる活動を進めてまいります。

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