2020.11.2
会長コメント
11月2日(月)、水野明久 中部経済連合会会長の定例記者会見を開催しました。
水野会長は、あいさつの中で、東京一極集中の是正に向けた取り組みや、「国土強靱化税制」の整備に向けての要望などについて述べました。
◇東京一極集中の是正に向けた取り組み
この度のコロナ禍を受け、中経連では、東京一極集中の是正、デジタル化の推進、イノベーション推進などの活動を加速していくことが肝要であると考え、委員会活動および国への要望活動を積極的に進めています。
東京一極集中の是正については、従来から、その必要性が認識されていましたが、コロナ禍によって東京の過度な人口集中の問題が浮き彫りになりました。
コロナ禍のようなパンデミック以外にも、首都直下地震などの自然災害も想定される中、東京に集中する中央政府機能や企業の本社、流入を続ける人口などの面についての見直しはギアアップして取り組むべき課題であると考えます。
現在、中経連は名古屋商工会議所とともに、東京一極集中の是正に向けた検討を開始しております。是正すべき内容を地元経済界独自の視点でまとめるとともに、経済界として取り組むべき方向性についても示したいと考えております。
加えまして、中経連の経済委員会では、コロナ禍による経済・社会の構造変化を見据えた経済政策の提言を来年2月に公表予定ですが、この提言の中でも東京一極集中の是正を重要な柱の一つに据える予定です。
私たち中経連は、一極集中を是正することで、均衡ある国土の発展すなわち中部圏の地域創生に向け、積極的に活動を進めてまいります。
◇「国土強靱化税制」の整備・創設に向けての要望
近年、台風の大型化や集中豪雨など、自然災害が激甚化する状況をとらえ、中経連は、国に対し国土強靱化税制の提言・要望活動を実施してまいりました。
2019年には、中小企業が行う機器・機械設備の投資を対象とする『中小企業防災・減災投資促進税制』が創設されるなど、防災・減災に資する税制面で大きな前進がありましたが、優遇税制の対象が限定されており、更なる拡充に向け、継続した取り組みが必要であります。
先月20日、中経連をはじめ西日本の6つの経済連合会で構成される西日本経済協議会の総会の場で、私は、国土強靱化税制の拡充について、団結し国に要望する必要性を訴えました。
今後、北海道と東北の経済連合会からも賛同を得ることで全国8つの経済団体の共同提言として取りまとめ、国に要望を行う予定であります。
産業界が防災・減災対策を自助努力として着実に進めていくためには、税制面での後押しは必要不可欠であるため、経済団体の力を結集して取り組んでまいります。
◇ナゴヤイノベーターズガレージでのイベント
来る11月16日、次世代の自動車をテーマにしたイベント「ピッチ&フォーラム『モビリティの未来』」を開催いたします。自動車分野のスタートアップ企業の活性化を目的に実施するもので、本年1月に続き、2度目の開催となります。
今回は、オープンイノベーションの取り組みを紹介するとともに、スタートアップ企業によるプレゼンを実施する予定です。
前回のイベントでは、海外も含めたスタートアップ16社がプレゼンを行い、その後の交流会では、スタートアップと中部圏を拠点とする企業のつながりを産み出すことができました。
「ものづくり」の中部圏にあって、自動車産業はその中核を担う産業であることから、中経連としましても、このイベントにより、自動車分野でのイノベーションが活発になることを、大いに期待しているところであります。